◎パキスタンでは冒とく罪で逮捕された容疑者が暴徒にさらわれ、処刑される事件が多発している。
パキスタン南西部バルチスタン州の警察署内で12日、警察官がイスラム教の予言者ムハンマドを冒とくしたとされる男性を射殺した。
殺害された男性は前日、冒とく罪で逮捕され、州都クエッタの警察署に勾留されていた。
州警察の報道官は声明で、「所内で容疑者を射殺した警察官は逮捕された」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
イスラム国家で予言者ムハンマドやイスラム教の聖典コーランを冒とくすることは死罪に当たる。パキスタンの刑法も冒とく罪の最高刑を死刑としているが、実際に冒とく罪で死刑が執行されたことはない。
パキスタンでは冒とく罪で逮捕された容疑者が暴徒にさらわれ、処刑される事件が多発している。
12日に刑務所内で射殺された男性は公共の場でムハンマドを侮辱したとされ、大勢に追い掛け回され、その後逮捕された。
地元メディアによると、暴徒は警察署を取り囲み、この男性を引き渡せ、処刑しろと要求していたという。
北西部カイバル・パクトゥンクワ州では6月、数百人の暴徒が州都ペシャワルの警察署を襲撃し、コーランを冒とくしたとされる男性を拉致。石打の刑に処し、遺体に火を放って路上に放置した。