◎今年ギリシャに不法入国した移民は約3万人。イタリアやスペインに比べると少ない。そのほとんどがアフガン、シリア、エジプト人である。
ギリシャの沿岸警備隊がトルコに近いエーゲ海東部で150人近くの移民を救助した。同隊が21日、明らかにした。
それによると、移民を乗せた3隻の船はレスボス島沖とクレタ島沖で遭難したという。うち1隻には男性67人、女性27人、子供21人が乗っていた。
3隻の巡視艇が対応にあたり、146人を救助。レスボス島の移民センターに連行した。国籍は明らかになっていない。
沿岸警備隊によると、115人を乗せたボートは救助作業完了後に沈没したという。
ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコとアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。
その多くがトルコ沿岸からギリシャ東部の島々へボートで横断を試みる。しかし、この海域の国境警備は強化されているため、トルコ南部または北アフリカから大型船で直接イタリアに向かう者も少なくない。
クレタ島沖では男性25人と少年7人が救助された。
沿岸警備隊によると、この移民はリビア東部を出港し、3日間かけて地中海を横断する予定だったという。うち2人が組織的に移民を不法入国させたとして逮捕された。
国連機関である国際移住機関(IOM)によると、今年ギリシャに不法入国した移民は約3万人。イタリアやスペインに比べると少ない。そのほとんどがアフガン、シリア、エジプト人である。