◎今年ギリシャに不法入国した移民は8月初めの時点で2万8000人超。イタリアやスペインに比べると少ない。
ギリシャ南部クレタ島沖で不法移民を乗せた3隻のボートが拿捕された。沿岸警備隊が20日、明らかにした。
それによると、シリア、エジプト、スーダン、バングラデシュの移民76人が拘束されたという。うち6人が子供であった。
沿岸警備隊の巡視艇は20日早朝にクレタ島南部の港に到着。警察に移民を引き渡した。
移民は身元確認のために勾留され、その後、収容施設に送られ、庇護を申請することになる。
ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコとアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。
その多くがトルコ沿岸からギリシャ東部の島々へボートで横断を試みる。しかし、この海域の国境警備は強化されているため、トルコ南部または北アフリカから大型船で直接イタリアに向かう者も少なくない。
専門家によると、クレタ島周辺の国境警備は比較的緩く、人身売買組織の活動拠点のひとつになっているという。
中央政府は地元当局を支援するため、クレタ島に移民センターを設置することを検討している。移民は現在、スポーツ施設や使われなくなった建物、学校などに収容されている。
地元メディアは関係者の話しとして、「今回拿捕した3隻はすべてトルコから出港したとみられる」と伝えている。
国連機関である国際移住機関(IOM)によると、今年ギリシャに不法入国した移民は8月初めの時点で2万8000人超。イタリアやスペインに比べると少ない。