◎ブラジル、コロンビア、メキシコ3カ国は政府と野党がベネズエラの法律を遵守し、透明性のある選挙結果に基づき、必要であれば不服を申し立てるよう勧告している。
ベネズエラ大統領選に立候補した全野党の統一候補ゴンザレス氏(中央)とマチャド元議員(左)(AP通信)

ブラジル、コロンビア、メキシコの政府高官がベネズエラ大統領選の仲裁に乗り出している。

メキシコ政府は6日、3カ国の当局者がマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の政府与党および全野党の高官らとこの問題について協議していると明らかにした。

それによると、3カ国は双方の代表と協議を続けているという。

AP通信はメキシコ政府高官の話しとして、「与党と全野党も直接協議している」と報じたが、誰が参加しているかは明らかになっていない。

マドゥロ氏の支配下に置かれる選挙管理委員会は7月28日に行われた大統領選の集計結果を公表せず、現職のマドゥロ氏が得票率51%で勝利したと発表。

しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保したと報告。それによると、全野党の統一候補であるゴンザレス(Edmundo González)氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけているという。

米国を含む7カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけている。

一方、ブラジル、コロンビア、メキシコ3カ国は政府と野党がベネズエラの法律を遵守し、透明性のある選挙結果に基づき、必要であれば不服を申し立てるよう勧告している。

政府与党は最高裁を含む司法も支配下に置いているため、公正な裁判は期待できない。

ゴンサレス氏の陣営は司法に異議を申し立てるかどうか明らかにしていない。

この3カ国はマドゥロ氏の勝利を認定も否定もしておらず、中立的な立場を取っている。

3カ国の首脳は先週の共同声明で、ベネズエラの選管に対し、透明性のある完全な集計結果を公表するよう呼びかけていた。

APはメキシコ政府高官の話しとして、「3カ国の首脳はマドゥロ氏と直接会談する可能性も否定していない」と伝えている。

一方、ベネズエラの司法当局は5日、全野党が軍に対し、マドゥロ氏への忠誠を再考するよう促したことを受け、ゴンザレス氏と全野党の指導者であるマチャド(María Corina Machado)元議員に対する犯罪捜査を開始すると発表した。

捜査がどの程度進んでいるかは不明。ゴンザレス氏とマチャド氏は国家反逆罪を含む複数の罪に問われる可能性がある。

2人の所在は明らかになっておらず、当局の捜査に協力しているかどうかも不明である。

ベネズエラの経済は米政府によるマドゥロ政権への厳しい経済制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。

現在のGDPはピーク時の4分の1となり、その結果、推定770万人が国外に流出。その多くが他の中南米諸国を経由して米国への移住を目指している。

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