◎ブラジルは世界有数の食料輸出国でもあり、トウモロコシ、大豆、コーヒー、砂糖、牛肉、鶏肉などを大量に輸出している。
2024年7月24日/ブラジル、リオデジャネイロの国際会議場、ルラ大統領(AP通信)

ブラジルのルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領は24日、リオデジャネイロで開催されたG20飢餓・貧困に関する閣僚会合の中で「世界規模の同盟を発足させ、この星から飢餓と貧困を根絶する」と誓った。

ルラ氏は「豊かな国が食料を奪い合い、貧しい国の市民数十億人が崖っぷちに追い詰められている」と非難。「飢餓は政治的な決断で防ぐことができる」と強調した。

またルラ氏は「世界で生産される食料を公平に分配すれば、飢餓も貧困も防ぐことができる」と述べた。

リオでは25日からG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれる予定だ。この中では欧米の金融政策、政治情勢、巨大グローバル企業への新たな課税のルールなどが議論される。

ルラ氏は今年11月18〜19日にリオで開催されるG20・地域首脳会議に先立ち、この世界同盟への支持を集めようと奔走してきた。

ブラジルG20オフィスによると、この同盟は不平等と貧困と闘うための政策やプログラムの拡大を支援するために、資金や知識を動員するメカニズムを構築・実施することを目的としている。

2030年までイタリア・ローマと首都ブラジリアにある国連食糧農業機関(FAO)事務所にその事務局を置き、費用の半分をブラジルが負担するとしている。

ブラジルは世界有数の食料輸出国でもあり、トウモロコシ、大豆、コーヒー、砂糖、牛肉、鶏肉などを大量に輸出している。

国連は2015年に採択した持続可能な開発目標(SDGs)に基づき、2030年までに極度の貧困と飢餓に終止符を打つと目標に掲げているが、思うように進展していない。

24日のリオ会合で公表された年次報告書「世界の食料安全保障と栄養の現状(2024年版)」によると、昨年世界で飢餓に直面した人は約7億3300万人に達したという。その多くがアフリカや中東などの紛争地で生活する人々であった。

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