◎軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
国際的な人道・開発援助の非政府組織「ワールド・ビジョン」は27日、内戦下のスーダンで今後数カ月以内に市民少なくとも75万5000人が「破滅的」な飢餓に直面すると警告した。
ワールド・ビジョンは10以上の国連機関、政府、援助団体などが参加する「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」に基づき、その数を算定した。
オランダのクリンゲンダール国際関係研究所も最近公表したレポートで、「今年9月末までにスーダンの市民約250万人が大飢饉により死亡する可能性がある」と警告していた。
ワールド・ビジョンによると、スーダンでは14カ月に及ぶ紛争により、850万人が極度の食料不足に直面。首都ハルツームや穀倉地帯であるジャジーラ州でも餓死者が確認されているという。
同組織は声明で、「破滅的な状況が目の前に迫っている」と述べ、大飢饉を回避するためには即時停戦と国際社会の支援が必要不可欠であると訴えた。
軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の3割にあたる約1800万人が食料不足に喘ぎ、1万4000人以上が死亡したと推定されている。
国連も以前、2000年代初頭のダルフール紛争に匹敵する規模の大飢饉が迫っていると警告していた。
それによると、実際の死者数はこれよりはるかに多いとみられるが、戦地の実態を把握することは困難で、調査が進む目途も全く立っていないという。
国連はこの14カ月で1100万人以上が国内避難民になったと推定している。
ワールド・ビジョンによると、今後数カ月で最も高いレベルの飢餓に直面する地域はハルツーム、西部ダルフール地方とコルドファン地方、ジャジーラ州を含む10の州である。
これらの地域ではすでに多数の餓死者が出ていると考えられている。