◎ゼレンスキー大統領は協定を「旧ソ連からの独立以来、我が国が結んだ最も強力なもの」と評し、バイデン氏と米国民に謝意を示した。
米国のバイデン(Joe Biden)大統領は13日、訪問先のイタリアでウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領と会談し、ロシアの侵略に直面するウクライナの防衛を強化する2国間安全保障協定に署名した。
米政府によると、この協定にはウクライナへのさらなる軍事支援、対ロシア制裁の強化、凍結したロシア資産を活用したウクライナ支援などが盛り込まれている。
バイデン氏は共同記者会見で「ロシアはG7によるウクライナの安全保障を強化する支援を阻止しようとしているが、我々は決して立ち止まらないし、止めることもできない」と語った。
またバイデン氏は今回の協定について、「ウクライナの防衛力と抑止力を長期的に強化することを目的としている」と述べた。
さらに、「米軍はウクライナで戦うことはないが、米国はロシアの侵略を阻止する兵器をウクライナに供与し続ける」とした。
ゼレンスキー氏は協定を「旧ソ連からの独立以来、我が国が結んだ最も強力なもの」と評し、バイデン氏と米国民に謝意を示した。
一方、G7首脳は13日、ウクライナの復興などを支援するため、凍結したロシア資産から得た利子を使って、今年最大500億ドルをウクライナに融資することで合意した。
ロシアはこの計画に強く反発し、西側への報復措置を検討している。
バイデン氏は凍結したロシア資産をウクライナ支援に充てる計画について、「G7は一歩も引かない、ということをプーチン(Vladimir Putin)大統領に思い起こさせるものだ」と強調した。
またバイデン氏は「G7の一致した強力な行動はウクライナの勝利と今後の復興の基盤を作るだろう」と述べた。
ロシアのメドベージェフ(Dmitry Medvedev)安全保障会議副議長は13日、G7・NATOを含む西側同盟国によるロシアへの制裁強化への報復として、西側の社会とインフラに最大限の損害を与えるようロシア国民に呼び掛けた。
またメドベージェフ氏はNATOが世界をかつて経験したことのない大戦の瀬戸際に追い込んでいると主張。「ロシアへの不合理な制裁は一切受け入れられず、より厳しい措置で報復することになる」と述べた。