◎フルタイムで宗教を学ぶ超正統派の男性は1948年の建国から続く政策に基づき、兵役を免除されてきた。
イスラエル・エルサレム市内でユダヤ教超正統派の兵役免除の廃止に反対するデモが行われ、数十人が道路を占拠した。
最高裁判所は今年3月、イスラエル建国以来続く超正統派の徴兵免除を4月1日から事実上廃止する命令を出した。
イスラエルは18歳以上の男女に兵役を義務付けている。男性は最短で32カ月、女性は24カ月である。
しかし、フルタイムで宗教を学ぶ超正統派の男性は1948年の建国から続く政策に基づき、兵役を免除されてきた。
建国当時に兵役を免除された学生は約400人であったが、現在は26歳までの男性約6万6000人に増加している。
専門家によると、兵役に就きたくない若者が超正統派と偽って神学校に通うケースが増えているという。
この免除措置は長らくイスラエル社会を分断し、今回のガザ紛争で数百人の兵士が犠牲になったことを受け、さらに広く議論されるようになった。
ネタニヤフ連立政権に参加する極右政党は免除を擁護してきたが、ガザ紛争を受け、方針を転換。道徳的な正当性はなくなったとして、最高裁の決定を受け入れる方針だ。
最高裁は現在、兵役免除の合法性を審理している。判決は数週間以内に出される予定。
政府の弁護団は2日の弁論で、「超正統派の男性に入隊を強制すれば、イスラエル社会はバラバラになる」と主張した。
最高裁は年間3000人の超正統派男性を入隊させるという目標を提案している。
エルサレム警察は道路を不法占拠したとして、デモ隊を強制排除した。
最高裁は3月、政府に対し、兵役を免除された超正統派に対する補助金を打ち切るよう命じた。