◎ロシアの弾圧キャンペーンは3年目を迎えたウクライナ侵攻後、新たな高みに達した。
ロシア当局が5月31日、今年の大統領選に出馬した野党政治家や著名な人権活動家などを「外国の代理人」に指定した。
これに指定された個人・組織・団体は規制当局に必要書類を提出するよう求められ、活動が違法と認定されれば、活動停止や解散を命じられる。
この法律は2012年に導入され、それ以来、多くの独立系メディア、NGO、政治家、活動家がリスト入りしてきた。
リスト入りした個人の情報は開示され、厳しい監視の目にさらされる。多くの人が信用を失い、企業や銀行と取引できなくなった。
今年の大統領選に出馬する意向を示し、選管に拒否されたドゥンツォワ(Yekaterina Duntsova)氏、囚人の権利保護を訴える人権活動家、ウクライナに派兵された兵士の帰還を求める団体とそのリーダー、政府に批判的なメディア2社などがリスト入りした。
ロシアの弾圧キャンペーンは3年目を迎えたウクライナ侵攻後、新たな高みに達した。
ロシアは侵攻への批判を事実上犯罪化し、著名な反体制派だけでなく、公の場でそれに反対した者を標的にしてきた。
北極圏の刑務所で今年2月に亡くなった反体制派指導者ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏はその代表である。その遺志を受け継ぐ妻のユリア(Yulia Navalnaya)氏などは国外で活動し、ウクライナ侵攻に反対したり、西側諸国にロシアへの制裁を強化するよう呼びかけている。