◎レバノンの経済は2019年の通貨危機、コロナウイルスの大流行、ロシア・ウクライナ戦争、ガザ紛争の影響で低迷。2021年のGDPは18年の4割以下に落ち込んだ。
レバノン、首都ベイルート(Hussein Malla/AP通信)

世界銀行は23日、レバノンの貧困率がこの10年間で3倍に増加したと発表した。

それによると、レバノン政府が南部と東部の3つの州への立ち入りを許可しなかったため、完全なデータは得られなかったという。

貧困ライン以下で生活する人の割合は2012年の12%から22年には44%に増加した。レバノンの人口は550万~600万人と推定されている。

調査結果は地域間、レバノン国民とシリア難民の貧困レベルの違いを示した。

首都ベイルートの貧困率は国内の他の地域とは異なり、この10年間で4%から2%に改善した。

レバノン国民の22年の貧困率は33%。これに対し、シリア難民は87%に達した。

世界銀行によると、レバノン人の多くが一定の訓練や教育を受けることによって、高度で複雑な作業を行うことのできる熟練労働者である一方、シリア難民の大半がそのような能力をもたない非熟練労働者であった。

非熟練労働者に分類されるレバノン人の割合はこの10年で大幅に増加した。その多くが農業や建設業(非正規)である。

レバノンの経済は2019年の通貨危機、コロナウイルスの大流行、ロシア・ウクライナ戦争、ガザ紛争の影響で低迷。2021年のGDPは18年の4割以下に落ち込んだ。

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