◎2つの医療チームがフィツォ氏の緊急手術を担当。5時間に及ぶ手術の末、容体が安定したという。
スロバキア政府は16日、中部ハンドロバの市庁舎前で銃撃されたフィツォ(Robert Fico)首相の容体が安定したと発表した。
それによると、2つの医療チームがフィツォ氏の緊急手術を担当。5時間に及ぶ手術の末、容体が安定したという。
フィツォ氏は市庁舎前で5発撃たれ、病院に緊急搬送された。
公共放送RTVSによると、男がその場で逮捕され、計画的にフィツォ氏を狙ったとして起訴されたという。
警察は容疑者の身元を明らかにしていない。
内務省の報道官は16日未明の会見で、「容疑者は先月の大統領選の結果に不満を覚え、襲撃を計画したようだ」と語った。
RTVSは情報筋の話しとして、「容疑者は次期大統領のペレグリニ(Peter Pellegrini、現国会議長)氏をひどく嫌っていた」と伝えている。
フィツォ氏とつながりの深いペレグリニ氏は先月の決選投票で元外相を破り初当選を果たした。
フィツォ氏の与党・スメルは昨年9月の議会選(一院制、定数150)で第1党に躍進。フィツォ氏を党首とする連立政権が発足した。
フィツォ氏はウクライナ支援を停止するなど、EUの親欧米派に反旗を翻し、ハンガリーのオルバン(Viktor Orbán)首相と共にロシア寄りの姿勢を示している。
首相府の報道官は容疑者を「一匹狼」と呼び、特定の組織や団体が暗殺未遂に関与したというメディアの憶測を否定した。