◎80万戸以上が断水し、復旧の目途は立っていない。
ブラジル南部リオグランデドスル州政府は7日、市内で生活する住民の80%が水道水を利用できなくなっているとして、給水制限を遵守するよう訴えた。
それによると、80万戸以上が断水し、復旧の目途は立っていないという。
同州では先週以降続く大雨により、各地で洪水や土砂崩れが発生。これまでに90人の死亡が確認され、130人以上が行方不明になっている。
被害の全容は明らかになっておらず、軍・警察・消防・自治体が調査している。
気象台によると、雨は小康状態にあるものの、7日夜から来週初めにかけてさらに雨量が増える可能性が高いという。
州都ポルトアレグレの国際空港と主要駅は閉鎖を余儀なくされ、主要幹線道路も通行できない状態になっている。
リオグランデドスル州政府は飲料水の確保を最優先するとしている。中央政府は近隣の自治体と協力して同州にペットボトル水や食料を届けている。
ポルトアレグレのスーパーマーケットには長蛇の列ができ、棚はあっという間に空になった。
多くのスーパーがペットボトル飲料の販売を1家族2~3本に制限している。
公衆衛生の専門家によると、リオグランデドスル州の広い範囲で水が引かず、マラリアやデング熱などの感染リスクが高まっているという。
国際保健機関(WHO)はドブネズミなどの保菌動物からうつるレプトスピラ症の患者が急増する恐れがあると警告した。
気象台によると、リオグランデドスル州には寒冷前線が接近しており、7日夜から大雨になる恐れがあるという。複数の地域で7~8日の雨量が150ミリを超えると予想されている。
8日の最低気温は低いところで15度を下回ると予想されているため、低体温症に注意が必要だ。リオグランデドスル州政府はSNSに声明を投稿。「毛布などの防寒対策品も送ってほしい」と呼びかけた。