◎フィツォ政権はウクライナ支援を凍結するなど、EUの親欧米路線に反旗を翻し、ハンガリーのオルバン首相と共にロシア寄りの姿勢を示している。
スロバキア政府は24日、公共放送RTVSを再編成する法案を閣議決定した。
地元のジャーナリスト、野党、国際メディア組織、EUの執行機関である欧州委員会はこの計画を批判している。
ポピュリストのフィツォ(Robert Fico)首相はRTVSが政治的に偏っており、政府与党を敵視していると主張。体制の見直しが必要であると述べてきた。
改正案によると、組織改正後のRTVSの最終決裁権を持つ評議会の委員9人は政府が選出する。評議会は番組ディレクターを選出し、理由を示さずに解任できる権限を持つ。
地元メディアによると、政府与党が多数派を占める議会は6月中に法案を可決する見込みである。
この改正案は偽情報を流すことで知られる地元のインターネットテレビ局に勤務したことがあるマルティナ(Martina Šimkovičová)文科相が起草した。
マルティナ氏はRTVSが西側寄りと呼ぶ主流派の意見を重視し、それ以外は検閲していると主張。RTVSはこの主張を「とんでもない言いがかり」と否定している。
ジャーナリストに対する暴言で知られるフィツォ氏は最近、大手テレビ局、全国紙2紙、民間オンライン・ニュースサイトを激しく罵り、国民に対し、「これらの敵対勢力が発進する偽情報に騙されるな」と呼びかけた。
フィツォ政権はウクライナ支援を凍結するなど、EUの親欧米路線に反旗を翻し、ハンガリーのオルバン(Viktor Orbán)首相と共にロシア寄りの姿勢を示している。