◎ジブチとイエメンの距離は最も近い地点で26キロほど。多くの移民が頼りないゴムボートなどで横断を試みる。
アフリカ北東部・ジブチ沖で移民船が転覆し、少なくとも16人が死亡、28人が行方不明になっている。国連の国際移住機関(IOM)が23日、明らかにした。
それによると、この船には子供を含む少なくとも77人が乗っていたとみられる。IOMがジブチ沿岸警備隊の救助・捜索活動を支援している。
ジブチは西欧への亡命を目指す移民の経由地のひとつになっている。そこを利用する移民の多くがエチオピア人とソマリア人だ。
ジブチから対岸のイエメンに渡った移民は戦地を通過して北上、サウジアラビアを目指す。
サウジに到達した移民はそこで働いたり、豊かな西欧(主に英独仏)への移動を模索する。
ジブチとイエメンの距離は最も近い地点で26キロほど。多くの移民が頼りないゴムボートなどで横断を試みる。
IOMによると、このルートは人身売買組織の支配下にあり、女性や子供が標的になっている。男性は戦地に送られることもあるという。
つい2週間前にもジブチ沖で移民船が難破し、38人が死亡したばかりだ。IOMによると、移民たちは一度ジブチからイエメンに渡った後、暴力に巻き込まれ、ジブチに戻ろうとしていたという。