◎カザフスタン国境に近いウラル山脈南部のダムは5日夜に決壊した。
ロシア中部オレンブルク州のダム決壊による洪水の被害が拡大し、1万4500戸近くの家屋が浸水した。地元当局が16日、明らかにした。
カザフスタン国境に近いウラル山脈南部のダムは5日夜に決壊した。当局は大雨と氷河の雪が解けたことにより、ダムの水位が急上昇したと報告している。
これにより、ウラル川の水位が上昇。オレンブルク市やオルスクなど、複数の町が冠水し、1万6000人以上が避難を余儀なくされた。
オレンブルク州は首都モスクワの南東約1200キロに位置する。
専門家は洪水の原因として、▽大雨と氷河の雪や氷が大量に溶けたこと▽土壌深くが凍結していて、雨や雪解け水を吸収できなかった結果、ウラル川に大量の水が流れ込んだと指摘している。
オレンブルグ州知事室は16日、ウラル川の水位は徐々に低下しているものの、1万6000人以上が避難を余儀なくされていると明らかにした。
それによると、住宅地の水位も低下し、16日午前の時点で浸水している家屋は約5500戸に減少したという。
カザフ国境近くの状況は特にひどく、ウラル川の複数の支流が氾濫したと伝えられている。
ガザフ領内でも大規模な洪水が発生し、これまでに11万3000人以上が避難を余儀なくされた。カザフ大統領府の報道官は16日付けの声明で、「5700戸以上の家屋が浸水したままであり、一部地域では水位が上昇しているという情報もある」と述べた。