◎当局は大雨と氷河の雪が解けたことにより、ダムの水位が急上昇したと報告している。
2024年4月10日/ロシア・オルスク、ダム決壊により冠水した道路(AP通信)

ロシア中部オレンブルク州政府は11日、ダム決壊による大洪水で1万2000戸近くの家屋が浸水し、数千人が避難を余儀なくされていると明らかにした。

カザフスタン国境に近いウラル山脈南部のダムは5日夜に決壊した。当局は大雨と氷河の雪が解けたことにより、ダムの水位が急上昇したと報告している。

オレンブルク州は非常事態を宣言。中央政府に支援を求めている。

国営テレビによると、プーチン(Vladimir Putin)大統領はオレンブルク州知事との電話会議で住民の避難を最優先するよう求めたという。

州知事はこれまでに1万1972戸の家屋と16の医療施設で浸水被害が確認されたと報告。水位がさらに上昇しているため、約3600戸が新たに浸水する可能性があると述べた。

それによると、ウラル川の水位は10.87メートルまで上昇。記録を取り始めて以来、最も高くなったという。

オレンブルク州で避難を余儀なくされた人は確認できているだけで8000人近くに達した。中央政府は被害額を400億ルーブル(約657億円)と見積もっているが、被害の全容は明らかになっておらず、悪化する可能性もある。

カザフスタン国境沿いの別の2州も河川の水位が上昇しているとして洪水に備えている。

国営タス通信によると、カザフスタンでも大雨による洪水が多発し、17地域のうち10地域に非常事態宣言が発出された。11日時点で2地域が解除となったものの、先月以来、10万人近くが避難を余儀なくされたという。

カザフスタンのトカエフ(Kassym-Jomart Tokayev)大統領は今回の洪水について、「このような恐ろしい光景を見たのは初めてだ」と述べていた。

オレンブルク州政府は洪水で避難を余儀なくされた市民に1人あたり月1万ルーブル(約1万6400円)を補償金として支払うとしている。

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