◎ジンバブエ通貨の信頼は2008年の歴史的なハイパーインフレでその価値を一掃して以来、低迷している。
ジンバブエ中央銀行は5日、RTGSドル(ジンバブエ・ドル)に代わる新通貨を発行すると発表した。
新しい通貨はZiGと名付けられ、8日に発行される。
中央政府は新通貨が数年にわたる経済・通貨危機に歯止めをかけると期待しているようだ。
RTGSドルはこの数週間、投資家に嫌われ、世界で最もパフォーマンスの悪い通貨のひとつになっている。
RTGSドルは1月以来、公式市場でその価値の70%以上を失った。地元メディアによると、闇市場ではさらに急落しているという。
消費者物価指数(CPI)は昨年12月の26.5%から今年1月には34.8%に上昇、3月は55.3%だった。
ジンバブエ通貨の信頼は2008年の歴史的なハイパーインフレでその価値を一掃して以来、低迷している。
インフレ率は世界記録とされる50億%に達し、政府が発行した100兆ジンバブエ・ドル紙幣は伝説になった。
2009年に発足した連立政権はジンバブエ・ドルを廃止し、米ドルと南アフリカの通貨ランドを法定通貨に採用。その後、2019年にRTGSドルを導入し、その価値は米ドルと等価と規定した。
政府は外貨取引を禁じているが、法律を守る者は少なく、闇市場が繁栄。市民は悲惨なインフレを忘れておらず、闇市場で米ドルを購入し、自宅に保管しているようだ。