◎ガザの住民に安定して食料を供給できるような停戦が実現しない場合、3月中旬から5月末でに「未曽有の大飢饉」が発生する可能性がある。
国連は18日、パレスチナ・ガザ地区北部で大飢饉のリスクが高まっていると警告した。
国連の総合的食料安全保障レベル分類(IPC)報告書によると、ガザの住民に安定して食料を供給できるような停戦が実現しない場合、3月中旬から5月末でに「未曽有の大飢饉」が発生する可能性があるという。
国連は報告書の中で、「飢饉を防ぐために必要な条件は現時点では満たされておらず、壊滅的な事態に発展するリスクが高まっている」と警告した。
それによると、ガザ北部の状況は今後1ヶ月半以内に、IPCの最高段階であるフェーズ5に引き上げられる見込み。
▽フェーズ1:食料が十分にある状態
▽フェーズ2:食料不安
▽フェーズ3:急性食料不安
▽フェーズ4:人道的危機
▽フェーズ5:飢饉
北部に残る市民の70%、推定21万人がいつ餓死してもおかしくない状態に陥る。
国連は「紛争の影響で人道支援や商業トラックによる北部へのアクセスがほぼ完全に欠如しているため、脆弱性が高まり、食料の入手、利用、医療、水、衛生設備へのアクセスが極端に制限されることになるだろう」と指摘している。
現在、推定150万人が身を寄せる南部ラファを含むガザ全域がフェーズ4に分類されている。
フェーズ4を解消するためには食料供給の継続と治安の回復が必要不可欠である。
国連は最悪のシナリオとして、2024年7月までに111万人が飢餓状態に陥る可能性があると警告している。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は3万1400人を超えた。
イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は17日、南部ラファに総攻撃を仕掛け、イスラム組織ハマスを撃滅すると改めて表明。国際社会の圧力には屈しないと言明した。