◎ウクライナは南部クリミアを含む占領地からロシア軍が完全撤退した場合のみ、交渉に応じる用意があると表明している。
2023年5月13日/バチカン市国、フランシスコ教皇とウクライナのゼレンスキー大統領(Vatican News/AP通信)

バチカンのフランシスコ教皇(Pope Francis)は9日に公開されたスイスメディアのインタビューで、ロシアの侵略に直面するウクライナに白旗を掲げる勇気を持つよう求めた。

教皇はインタビューの中で、「ウクライナは戦争終結に向け交渉する勇気を持つべきであり、和平交渉のテーブルに座ることを恥じるべきではない」と述べた。

また教皇は「最も強いのは、現状を見つめ、人々のことを考え、白旗を揚げる勇気を持ち、交渉する者だと思う」と指摘。「国際社会の力を借りて和平交渉を行うべきだ」と述べた。

ウクライナは南部クリミアを含む占領地からロシア軍が完全撤退した場合のみ、交渉に応じる用意があると表明している。

ロシアは2014年にクリミアを、今回の戦争で東部・南部4州の併合を宣言した。

ロシア軍は東部と南部の前線で勢いを増し、弾薬不足に苦しむウクライナ軍を押し返している。

一部のNATO加盟国はウクライナに部隊を派遣する可能性に言及。実現すればロシアとの全面戦争に発展する恐れがある。

バチカンの報道官は9日、「白旗という言葉だけが独り歩きしている」と懸念を示し、「教皇が力による現状変更を容認した」という批判の火消しに追われた。

SNSには「教皇がロシアの軍門に屈するよう促した」「パレスチナ人も白旗を掲げてイスラエルに降伏しよう」「教皇が侵略軍を応援」などいった投稿が多数寄せられている。

教皇はバチカンのお家芸である中立性を維持しようとしてきたが、「東方に拡大したNATOがロシアの玄関前で吠えている」と発言するなど、しばしばロシアに同情する姿勢を示している。

教皇はインタビュー中で、「交渉という言葉は勇気のある言葉だ」と述べている。「敗北し、物事がうまくいっていないと分かったら、交渉する勇気を持たなければならない。交渉は降伏ではない」

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