◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ハイチ、首都ポルトープランスの避難所(Getty Images)

米国のトーマスグリーンフィールド(Linda Thomas-Greenfield)国連大使は26日、訪問先の南米ガイアナでカリブ海諸国の首脳らと会談し、ハイチの平和と平穏を取り戻すために、必要な資金、装備、後方支援を提供すると改めて表明した。

ガイアナでは今週、ハイチの安全保障やギャング問題について協議するカリブ海サミットが4日間の日程で開催される。

トーマスグリーンフィールド氏は声明で、「米政府はケニアが主導する国連PKOに対する世界的な支持を集めるための取り組みを推進している」と強調した。

バイデン政権はハイチ支援に2億ドルを拠出するとすでに表明している。

トーマスグリーンフィールド氏はアンリ(Ariel Henry)首相の辞任を要求する野党に対し、「団結して危機を乗り越え、政治的解決を図る必要がある」と訴えた。

またトーマスグリーンフィールド氏は「ハイチ国家警察を支援するために、速やかにPKOを派遣しなければならない」と強調した。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

首都ポルトープランスでは1年ほど前から複数の武装ギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ギャング間抗争で昨年死亡した市民は約8400人。数千人が誘拐されたと推定されている。

ポルトープランスの70~80%はギャングの支配下に置かれたとされ、31万人以上が住まいを失い、ホームレスになった。

ケニアの高等裁判所は先月末、「国連安全保障理事会の決定に基づきハイチにケニアの警察官を派遣することは違憲である」と裁定。この裁判は現在、最高裁で争われている。

トーマスグリーンフィールド氏は西アフリカのベニンがハイチPKOへの参加を表明したことに謝意を示し、「フランス語を話す部隊はこの取り組みで重要な役目を果たすことができる」と述べた。

ハイチの公用語はフランス語とクレオール語である。

ベニンは陸軍兵士2000人をハイチに送ると表明している。

ジャマイカ、バハマ、ベリーズ、ブルンジ、チャド、セネガルなどの国々がPKOへの参加を表明。サミットを主催するガイアナは資金提供を約束した。

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