◎ハマスは完全な停戦を求めている。
パレスチナ・ガザの保健当局は22日、イスラエル軍によるガザ南部と中部への空爆で少なくとも48人が死亡したと明らかにした。
国連の13機関とEUが停戦を呼び掛ける中、イスラエルはエジプトと国境を接する南部ラファへの本格的な地上侵攻を改めて示唆した。
ヨルダン川西岸地区でも緊張が高まっている。
イスラエル警察は22日、パレスチナの武装集団が高速道路の検問所を襲撃し、1人が死亡、5人が負傷したと発表した。
ガラント(Yoav Gallant)国防相は22日、「戦時内閣は人質の解放交渉にあたる担当官の権限を拡大する」と明らかにした。
エジプトやカタールなどが仲介する交渉は難航している。カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは22日、イスラム組織ハマスの担当官が人質解放に関する新たな条件を提示したと報じた。
戦時内閣のメンバーであるガンツ(Benny Gantz)前国防相も21日遅く、「人質約130人を解放する新たな試みが進展中である」と述べていた。
ハマスは完全な停戦を求めている。
ガンツ氏は声明の中で、「ハマスが人質の解放に応じない場合、イスラエルは来月のラマダン(イスラム教の断食月)中にラファへの地上攻撃を開始する」と改めて警告した。
今年のラマダンは3月10日頃から始まる。
ガザの人口約230万人の半数以上がラファの国連難民キャンプなどに身を寄せている。
ラファのエジプト国境は固く閉じられており、人々が安全地帯に退避できるかどうかは不明だ。イスラエル軍は南部の主要都市ハンユニスのハマス掃討作戦が終了次第、そこに人々を退避させると主張している。
パレスチナ側の死者は2万9400人を超えた。国連はイスラエルにラファへの攻撃を控えるよう繰り返し要請している。