◎独裁者のマドゥロ大統領は国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)を「ヤンキー(米国)の奴隷」「悪魔軍団」などと呼んでいる。
ベネズエラ政府は15日、首都カラカスの国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に退去を命じた。
独裁者のマドゥロ(Nicolás Maduro)大統領はOHCHRを「ヤンキー(米国)の奴隷」「悪魔軍団」などと呼んでいる。
政府はOHCHRがクーデター計画やテロリストを支援したと主張。業務を速やかに停止し、72時間以内に退去するよう命じた。
外務省の報道官は記者会見でOHCHRを改めて非難。「とんでもない組織が公然と活動していることを遺憾に思う」と主張した。
ベネズエラ当局は今週、著名な人権弁護士とその家族を拘束。国内外で批判にさらされている。
OHCHRのカラカス事務所は声明で、「我々はベネズエラの人権を改善するために働いてきた」と述べ、マドゥロ政権を非難した。
また同事務所はクーデター計画やテロ活動を支援したというマドゥロ政権の主張を「とんでもない言いがかり」と断じた。当局はOHCHRがそれに関与したという証拠を示していない。
スイス・ジュネーブのOHCHR本部は15日、ベネズエラ政府の決定を遺憾に思うと声明を発表。裁判に打って出る用意があると表明した。
またOHCHR本部は13日に拘束されたとみられる著名な人権弁護士とその家族を速やかに解放するよう求めた。
ベネズエラの司法はマドゥロ氏の支配下に置かれており、裁判でこの決定が覆る可能性は皆無である。