◎米国境付近を支配する麻薬カルテルやギャングは移民を定期的に誘拐し、身代金を要求している。
メキシコのオブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領は4日、米国境近くで正体不明の武装集団に拉致され、その後北東部タマウリパス州で保護された移民32人について、「治安当局が救助したのではなく、武装集団が解放した」と明らかにした。
治安当局は当初、保護した移民の数を31人としていたが、32人に訂正した。
オブラドール氏は定例記者会見で、「移民たちはタマウリパス州中心部のショッピングモールの駐車場に置き去りにされた」と明らかにした。
またオブラドール氏は32人の容体について、「ケガをしている者はおらず、良好と報告を受けている」と述べた。
32人の国籍はエクアドル、コロンビア、ベネズエラ、ホンジュラス、メキシコであった。
オブラドール氏によると、陸軍と警察が武装集団の行方を追っている。
正体不明の武装集団は昨年12月30日、米テキサス州の国境近くのハイウェイで移民局が運行するバスを急襲。乗員36人のうち32人を拉致した。
米国境付近を支配する麻薬カルテルやギャングは移民を定期的に誘拐し、身代金を要求している。数十人が一度に拉致されることも珍しくない。