◎カルテルはプロバイダーの担当者などを脅迫し、無料でインターネットを利用している。
メキシコ西部ミチョアカン州の麻薬カルテルが独自のインターネット・アンテナを設置。住民にWi-Fiサービスを強制提供し、料金を支払わなければ処刑すると脅していた。地元当局が3日、明らかにした。
それによると、麻薬カルテルはミチョアカン州の複数の地域にインターネット・アンテナを建設し、プロバイダーを脅してサービスを無料提供させていたという。
AP通信は情報筋の話しとして、「麻薬密輸組織セタスとつながりのあるカルテルはおよそ5000人から月400~500メキシコペソ(3400~4200円)を請求していた」と伝えている。
カルテルは毎月260万メキシコペソもの収益を上げていたとされる。
ミチョアカン州検察の担当官はAPに、「カルテルは支払いを拒否すれば処刑する、家族を拉致して四肢を切り落とすなどと住民を脅し、料金を徴収していた」と語った。
それによると、カルテルに処刑された住民は確認されていない。
地元メディアはセタスから派生したカルテル「ロスバイアグラス(Los Viagras)」の犯行と伝えている。
検察はどのカルテルが関与しているかについては明言を避けたが、ロスバイアグラスの支配下にある町や集落に自家製アンテナが設置されていたと認めた。
警察は先週末にアンテナなどの機器を押収、写真を公開した。
メキシコのカルテルは長い間、犯罪組織内でのやり取りと当局の目をかわすために、電波塔やその場しのぎのアンテナを設置するなどして、インターネットを利用してきた。
カルテルはプロバイダーの担当者などを脅迫し、無料でインターネットを利用している。地元メディアによると、カルテルは担当者の自宅を突き止め、「警察に通報すれば取り返しのつかない事態になる」と脅迫したりするという。
カルテルWi-Fiサービスの利用・支払いを拒否する住民はほとんどいない。