◎海軍は首都ダカール沖の公海に停泊していた漁船を26日夜に拿捕し、麻薬密売組織の構成員とみられる10人を拘束した。
セネガル海軍は28日、同国の沖合に停泊していた漁船を拿捕し、3トン以上のコカインを押収したと明らかにした。
それによると、末端価格は数億ドル。1回の押収量として過去最大規模だという。
海軍の報道官は声明で、「首都ダカール沖の公海に停泊していた漁船を26日夜に拿捕し、麻薬密売組織の構成員とみられる10人を拘束した」と述べた。
10人のうち1人はセネガル国籍の男。身元は明らかにされていない。
セネガル国家警察はこの取り締まりに関する声明を出していない。
国営テレビは公安当局者の話しとして、「海軍と公安は同盟国の情報機関から連絡を受け、対応に当たった」と伝えている。
西アフリカと中央アフリカは長年、中南米の麻薬カルテルの中継地として利用されてきた。
国連薬物犯罪事務所(UNODC)によると、この地域に密輸される麻薬の量は増加傾向にあり、米国と西欧に次ぐ規模になったという。
2019~22年の間に少なくとも57トンのコカインがこの地域に向かう途中で押収され、そのうち4.7トンがセネガル向けだった。
セネガル当局は今年1月にもダカール沖で800キロ以上のコカインを押収していた。
世界のコカイン使用者数は着実に増加している。UNODCによると、その数は2021年時点で推定2200万人。
UNODCは今年6月に公表した年次報告書の中で、「世界のコカイン押収量は急速に増加しており、当局の捜査が一定の成果を上げ、使用者の抑制に貢献している」と指摘していた。