◎遺体を乗せたトラックには113発の銃弾が撃ち込まれていたが、現場に薬莢は残っていなかった。
メキシコ北東部タマウリパス州の地方裁判所は14日、2021年に市民2人と移民17人が射殺された事件について、元警察官11人にそれぞれ禁固50年の実刑判決を言い渡した。
元警察官たちは今年初めに起訴。11人が殺人と職権乱用罪で有罪となり、もう1人が職権乱用罪のみで禁固19年を言い渡された。
12人はタマウリパス州警察のエリート部隊に所属していた。
12人は逮捕後、移民らが先に発砲してきたと主張。麻薬カルテルとつながりのある組織を追跡する中で19人を射殺せざるを得ない状況に追い込まれたと述べていた。
12人は証拠を隠蔽するために19人の遺体を焼却。その後、米テキサス州近くを流れる川の近くに遺体を放置した。
この地域では麻薬組織「湾岸カルテル」と麻薬密輸組織セタスから分裂したカルテルによる縄張り争いが何年も続いており、警察は当初、いずれかのカルテルが遺体を遺棄した可能性があると説明していた。
遺体を乗せたトラックには113発の銃弾が撃ち込まれていたが、現場に薬莢は残っていなかった。州警察によると、12人は薬莢で身元がバレることを知っていたので、事前にひとつ残らず回収したという。
12人はGOPESと呼ばれる、150人からなる特殊部隊のメンバーであった。同部隊はその後解散している。