◎ウクライナ軍は今年、バフムート全体を見渡せる高台を奪還し、ロシア軍を北、南、西部地域から追い出した。
ウクライナ当局は12日、ロシア軍が東部ドネツク州の要衝バフムート周辺の前線で攻撃を強化していると報告した。
陸軍のシルスキー(Oleksandr Syrskyi)司令官はテレグラムに声明を投稿。「ロシア軍はバフムート周辺の領土を取り戻すための大規模攻勢を開始した」と書き込んだ。
ウクライナ軍は今年、バフムート全体を見渡せる高台を奪還し、ロシア軍を北、南、西部地域から追い出した。
シルスキー氏はロシア軍が奪われた領土を取り戻すために、この地域に兵力を集中させていると指摘。「ウクライナ軍は攻撃を撃退している」と強調した。
ロシア国防省は12日、ドネツク州に展開する自軍がバフムート南方にある2つの集落に対するウクライナ軍の攻撃を5回撃退したと主張した。
ウクライナ軍は一連の反攻作戦で大きな成果を上げることができず、東部と南部戦線で足止めを食っている。
米シンクタンク戦争研究所は東部・南部戦線が膠着状態に陥っていることについて、「ロシア軍はインフラ攻撃などでウクライナ側の注意をそらし、東部と南部に兵力を集中できないようにしている」と指摘している。
ウクライナ軍参謀本部によると、ロシア軍はドネツク州の要衝アウディーウカ占領に向けた攻撃を数週間にわたって続けているという。
アウディーウカはドネツク州東部と他の地域を結ぶ入り口であり、この地域の体制を確立するうえで欠かせない拠点のひとつと考えられている。
アウディーウカ周辺のウクライナ部隊を率いる将校は12日、テレグラムに戦況を投稿した。「ロシア軍は前日までに誘導爆弾を使った空爆を強化し、この地域の市街地を30回空爆、712回砲撃した...」
それによると、ウクライナ軍は前日までにアウディーウカ周辺でロシア軍と50回近く交戦したという。