◎ギリシャは中東・アフリカ・アジアの紛争地から逃れた移民の目的地のひとつであり、年間数万人が船や陸路で亡命を試みている。
ギリシャの沿岸警備隊は24日、この3日間で300人以上の移民がトルコ沿岸に近い島々に上陸したと明らかにした。
それによると、巡視艇は23日、サモス島沖などで移民107人を発見・保護したという。
さらに同日、巡視艇はレスボス島やロードス島などで移民109人を保護。22日にも118人を保護しており、3日間で300人を超えた。
その大半が島の海岸線付近で巡視艇に発見されたようだ。当局は保護した334人を移民受付センターに移送した。
ギリシャは中東・アフリカ・アジアの紛争地から逃れた移民の目的地のひとつであり、年間数万人が船や陸路で亡命を試みている。
国連によると、今年これまでに陸路と海路でギリシャに到着した移民は約1万4000人。これは地中海横断に成功した総数の10分の1に過ぎず、そのほとんど(約10万4000人)がイタリアに到着している。
昨年ギリシャに到着した移民は約1万9000人だった。
今年6月には西部カラマタ沖でパキスタン人など700~750人もの移民を乗せた漁船が沈没。沿岸警備隊は104人を救助したものの、82人が死亡、500人以上が行方不明のままである。
2015~16年のシリア難民危機の際には100万人近くの移民がトルコ沿岸からエーゲ海東部の島に小舟で密入国した。その後、政府は海上パトロールを強化し、このルートを使う移民は少なくなった。
地中海で活動する人権団体はギリシャ当局が移民を領海内から不正に追い出し、亡命する権利を奪っていると主張しているが、当局はこれを強く否定している。