◎犯行声明を出した組織は確認されておらず、陸軍と警察の合同チームが捜査に当たっている。
アフガニスタンと国境を接するパキスタン南西部バルチスタン州と北西部カイバル・パクトゥンクワ州で爆弾テロが発生し、少なくとも9人が死亡した。地元当局が7日、明らかにした。
バルチスタン州では道路脇に設置されていた爆弾が爆発。地元の政治家らを乗せた車両が巻き込まれ、7人が死亡した。
カイバル・パクトゥンクワ州のテロでは男女2人の死亡が確認されている。
地元メディアによると、犯行声明は確認されておらず、陸軍と警察の合同チームが捜査に当たっているという。
バルチスタン州はアフガンおよびイランと国境を接し、20年以上に渡って紛争の舞台になってきた。そこに拠点を置くバルチスタン解放軍(BLA)などの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に求めていたが、後に独立を求めて反乱を起こした。
カイバル・パクトゥンクワ州の爆弾テロは北ワジリスタンで発生したと報告されている。ここにはかつて、TTP(パキスタンのタリバン運動)の拠点があった。
報道によると、爆発現場近くに配備された爆弾処理班にケガはなかったという。警察は爆弾が積まれていた車に乗っていた男女が死亡したと報告。この2人は自爆テロ犯とみられ、機動隊に進路を妨害された後、自爆したようだ。
それ以上の詳細は分かっておらず、警察が捜査を進めている。
TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、昨年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切り、軍と警察への攻撃を強化した。
パキスタン軍はカイバル・パクトゥンクワ州とその周辺地域から武装勢力を排除したと主張している。しかし、この地域を含むアフガン国境付近ではテロ攻撃が相次いでおり、TTPが再進出したのではないかという懸念が高まっている。