◎ここ数カ月の大洪水と干ばつにより、自給自足生活を行っていた数十万人が自力で食料を確保できなくなった。
2020年8月9日/南スーダン、冠水した道路を歩く避難民(Getty Images/AFP通信)

異常気象に見舞われている東アフリカの南スーダンで飢餓の懸念が高まっている。

世界食糧計画(WFP)によると、ここ数カ月の大洪水と干ばつにより、自給自足生活を行っていた数十万人が自力で食料を確保できなくなったという。

同国のスーダン国境周辺では干ばつ、その他の地域では4年ほど前から洪水が相次ぎ、多くの農地や放牧地が水没。100万人以上が避難を余儀なくされ、国際機関の人道支援に頼って生活している。

隣国スーダンの内戦も食料危機に拍車をかけた。現地メディアによると、南スーダンとスーダンを結ぶ道路が戦闘によって寸断され、一部地域への物資搬入が困難になったという。

さらに、スーダン国境周辺では干ばつと洪水が交互に発生し、子供を含む数十万人が飢餓に直面している。

WFPによると、南スーダンの人口の3分の2が食料を自力で確保できず、一部地域ではすでに飢饉が発生し、餓死者が出ているという。

これは内戦時代を上回る数字であり、国際社会の支援なしで解決すること難しい。

ロシアのウクライナ侵攻に端を発する食料・燃料価格の高騰も危機に拍車をかけた。

WFPは国際社会に追加支援を要請しており、今後6カ月で5億6700万ドルを集めたいとしている。

南スーダンは2011年にスーダンから独立。それから2年後、キール(Salva Kiir)大統領に忠実な組織がマシャール(Riek Machar)副大統領の組織に攻撃を仕掛け、内戦状態に陥った。

内戦は2018年の和平合意で終結。犠牲者は数十万人と推定されている。

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