◎スリランカは昨年、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
![](https://kagonma-info.com/wp-content/uploads/2023/07/2023年7月21日/インド、首都ニューデリー、モディ首相(右)とスリランカのウィクラマシンハ大統領(Manish-Swarup/AP通信).jpg)
深刻な経済危機に直面しているスリランカが国内取引でインドの通貨ルピーの使用を認める可能性を検討している。現地メディアが22日に報じた。
それによると、ウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)大統領は隣国の通貨を国内取引に導入し、インド人観光客の増加につなげたいと考えているようだ。
スリランカ外務省の報道官は地元紙のインタビューで、「両替の手間を省くことは大切だ」と述べている。「インドの観光客は自国通貨(インド・ルピー)で買い物をしたいと考えています...」
スリランカは昨年、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
持続不可能な債務、コロナの大流行による観光業の低迷、ロシアのウクライナ侵攻による燃料価格高騰などの影響により、人口の大部分を占める低中所得者層の多くが厳しい生活を余儀なくされている。
スリランカは最大の貿易相手国であるインドから食料品、医薬品、建設資材、自動車、肥料、化学品など多くの品目を輸入している。公式統計によると、2021年の両国間の貿易総額は約54億5000万ドル。
外務省の報道官は「インド・ルピーを受け入れることで多くの観光客を呼び込み、経済を活性化できると期待している」と述べた。
ウィクラマシンハ氏は21日にインドの首都ニューデリーを訪問し、モディ(Narendra Modi)首相と会談。エネルギー、開発、貿易関連の協定に調印し、両国の経済的結びつきが強まっていることを示した。
スリランカが経済危機に陥った昨年、両国の関係は急拡大した。
インドはスリランカに対し、食料、医薬品、燃料など、40億ドル以上に相当する財政・人道支援を行った。
またインドはスリランカの債務再編を支持・支援する公式書簡を最初に送った債権者であり、国際通貨基金(IMF)の融資を後押しした。
スリランカの負債総額は830億ドルを超え、そのうち415億ドルが対外債務、421億ドルが国内債務である。