◎ネタニヤフ首相が提唱する司法制度改革案はイスラエルを建国史上最悪の国内危機に陥れ、分断を煽り、新たな亀裂を生じさせた。
イスラエルの首都テルアビブで18日、ネタニヤフ政権の司法制度改革に抗議するデモ隊が高速道路を封鎖した。
現地メディアによると、テルアビブの証券取引所と軍司令部前でも抗議デモが行われ、数万人が参加したという。
ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相が提唱する司法制度改革案はイスラエルを建国史上最悪の国内危機に陥れ、分断を煽り、新たな亀裂を生じさせた。
デモ隊は半年以上に渡ってこの案に抗議し、ネタニヤフ政権が法案を破棄しない限りデモを続けると表明している。
しかし、ネタニヤフ氏の与党・リクードおよび、それと連立を組む超国家主義政党は今週、法案を押し通した。採決は来週予定されている。
軍司令部前で行われたデモには多くの予備役が参加し、入り口のひとつを占領した。
証券取引所前では暴徒化した一部のデモ参加者が機動隊と衝突したと伝えられている。
同国最大の労働組合本部前でもデモが行われ、執行部は国民にゼネストを呼びかけた。労組は3月に全国規模のストを行うと発表し、法案の審議停止を後押ししている。
報道によると、警察はテルアビブ近郊の高速道路に侵入したとされるデモ参加者少なくとも16人を現行犯逮捕したという。
ネタニヤフ氏と超国家主義者たちは同国の法制度について、「選挙で選ばれたわけでもない司法に過剰な権限を与えている」と非難し、司法の判決を覆す権限を国会に付与するよう提案している。
ネタニヤフ氏の案がそのまま成立すると、国会は過半数の賛成で最高裁の判決を覆せるようになる。