◎ストが続く間、俳優たちは映画に出演できず、映画の宣伝もできない。
米俳優労組「映画俳優組合(SAG)」のストは年末まで続く可能性があり、この半世紀で最大規模になると予想されている。現地メディアが14日に報じた。
脚本家たちは5月、賃金や労働条件への不満、人間から仕事を奪う可能性のある人工知能(AI)への規制が欠如していることなどを受け、職を離れた。
報道によると、アバターやグラディエーターの続編を含む、製作中の大作映画が影響を受ける可能性がある。
ストが続く間、俳優たちは映画に出演できず、映画の宣伝もできない。
俳優を含む組合員約16万人が13日にストを開始。ロサンゼルスやニューヨークなどにある主要スタジオ・ストリーミング会社のオフィス前には数千人が集まり、怒りと不満を爆発させた。
このデモは13日夜にレッドカーペットを予定していた映画「オッペンハイマー」の出演者からも支持を受けている。
SAGはストリーミング大手に対し、より公平な利益配分、労働条件の改善、俳優の代わりに人工知能を使用しないことなどを保証するよう求めている。
影響を受けそうな作品はアバター、デッドプール、グラディエーターなどの続編。ハウス・オブ・ザ・ドラゴン、ファミリー・ガイ、ザ・シンプソンズなどのテレビ作品の次期シーズンなど。
レッドカーペットプレミア、プロモーション、インタビュー、エミー賞やコミコンを含むイベントはすでに中止・再編・縮小を余儀なくされている。
今回のストはデジタルストリーミング時代への移行と、より広範な技術的変化が一因となっている。
ニューヨークのデモに参加した俳優のスーザン・サランドン(Susan Sarandon)さんはAP通信の取材に対し、「今解決しなければ、将来どうやって解決するのだろう?という気持ちがあることは確かだ」と語った。
「将来のために何かを準備する先見の明がなければ、全てが台無しになります。経営人が何も変えられないことは確かです...」
俳優も脚本家も以前よりはるかに収入が減ったと主張している。特に映画を陰で支える、決して収入の多くない技術者は大きな影響を受けているようだ。
俳優の場合、個々の役に対するギャラが下がっているため、数年前と同じ金額を稼ぐためには、さらに多くの作品に出演しなければならなくなった。
脚本契約はより短く、より簡素なものとなり、脚本家が改訂を行った場合の報酬は契約に含まれていないことが多いそうだ。
SAGのドレシャー(Fran Drescher)会長は13日のデモで次のように述べた。「映画を作ってきた私たちに対する厳しい仕打ちにショックを受けています。映画を作っているのは誰ですか?」