◎この法案は「再生可能エネルギーを65%以上使用できる新しい暖房システムの設置」を市民に義務付けるものである。
ドイツ政府は6日、化石燃料を使った暖房器具の買い替えを促進すると期待されている法案の採決を9月まで延期した。
ショルツ政権は今会期中に法案を可決・成立させたいと考えていた。
しかし、首都ベルリンの憲法裁判所は5日、法案の審議時間が足りず、国会議員の権利を侵害するという保守派の野党議員が求めた差し止め請求を認め、ショルツ(Olaf Scholz)首相に法案の再審議を含む必要な措置を取るよう命じた。
ショルツ政権は6日の閣議後、法案の採決を次の会期まで延期すると発表した。夏季休暇中に臨時国会を召集するという案は却下されたようだ。
ショルツ氏の与党・社会民主党と連立を組む緑の党は化石燃料を使用する暖房システムを代替品に置き換える計画を強く推奨している。
一方、もうひとつの連立政党である中道右派の自由民主党は議論の余地があると懸念を示している。
連立政権による妥協案は先週公表されたが、野党はそれを今会期中に成立させたいとするショルツ政権を批判。憲法裁判所に差し止め請求を出した。
この法案は「再生可能エネルギーを65%以上使用できる新しい暖房システムの設置」を市民に義務付けるものである。
対象は来年以降に建設される新築住宅。それ以外の住宅に設置されている暖房の入れ替えは数年かけて行うとしている。