◎イエメン内戦は近代史上最悪と呼ばれる人道危機を引き起こし、この9年で少なくとも16万人が死亡。子供を含む1000万~2000万人が飢餓に直面している。
イエメン当局は11日、アルカイダ系組織とみられる武装勢力と親政府軍が衝突し、少なくとも3人が死亡したと明らかにした。
AP通信は軍関係者の話しとして、「アルカイダ系組織とみられる武装勢力は10日夕方、南部シャブワ州近郊の町付近でUAE(アラブ首長国連邦)の支援を受けるシャブワ防衛軍を攻撃した」と伝えている。
戦闘は数時間続き、シャブワ防衛軍の兵士2人と武装勢力の戦闘員1人が死亡。武装勢力は最終的に撤退したという。
イエメン内戦は近代史上最悪と呼ばれる人道危機を引き起こし、この9年で少なくとも16万人が死亡。子供を含む1000万~2000万人が飢餓に直面している。
UAEを含むサウジ主導の連合軍は2015年に戦争に介入し、国連の支持を受ける政府の復権を図った。
シャブワ州を含む南部地域では武装勢力「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」が活動している。このテロ組織はアルカイダの中で最も危険な派閥のひとつと考えられている。
アルカイダの著名な指導者のひとりであるアル・タミミ(Hamad bin Hamoud al-Tamimi)は今年2月、米国のものとみられるドローン攻撃で殺害された。
米中央情報局(CIA)はイエメンに潜伏するアルカイダ系組織へのドローン攻撃を20年ほど前に開始したとされるが、その実態はほとんど明らかになっていない。
イエメン内戦は昨年4月に6ヶ月間の停戦合意がなされて以来、小康状態を保っている。合意は10月に失効したものの、サウジとシーア派武装勢力フーシは水面下で交渉を続けているものとみられる。
サウジとフーシ派を支援するイラン政府は今年3月、外交関係を正常化することで合意し、イエメン内戦終結への期待がさらに高まった。