◎ドイツのための選択肢(AfD)は2013年に発足した極右政党で、過去の党首は過激な政策を掲げ、情報機関の監視対象になっている。
2022年6月18日/ドイツ、AfD党集会会場、共同代表に就任したワイデル氏(中央)(Sebastian Kahnert/ドイツ通信社)

ドイツの最大野党・キリスト教民主同盟(CDU)は2日、最新の世論調査で極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の支持率が過去最高を更新したことに深刻な懸念を表明した。

ドイツ公共放送連盟(ARD)が1日に公表した世論調査(電話調査:1302人回答)によると、AfDの支持率は18%で、ショルツ(Olaf Scholz)首相率いる与党・社会民主党(SPD)と同程度まで急上昇した。

2021年の連邦議会選におけるSPDの得票率は25.7%、AfDは10.3%だった。

世論調査で29%の支持を集めたCDUのレトゲン(Norbert Roettgen)議員はARDの取材に対し、「これは災害であり、全ての中道政党は現実を直視しなければならない」と語った。

またレトゲン氏は社会民主党と連立を組む自民党の支持率が低迷していることについて、「問題点を自問自答すべきだ」と批判した。

自民党幹部はAfDの支持率が伸びていることについて、「すべての民主主義政党は警鐘を鳴らすべきである」と警告している。

AfDは2013年に発足した極右政党で、過去の党首は過激な政策を掲げ、情報機関の監視対象になっている。

AfDの創設者はユーロ通貨に反対するためにこの組織を立ち上げたが、2014~15年のシリア難民危機で移民に対する批判を利用して支持を集め、2017年に連邦議会に進出した。

最近の政策の柱は「反移民」「反イスラム」「反ゲイ」「反LGBT」「反ロシア制裁」であり、ショルツ氏の政策を否定し、「強いドイツを取り戻す」と主張している。

AfDはメルケル(Angela Merkel)前首相率いる連立政権に不和が生じた2018年にも支持率を大きく伸ばしたことがある。

ショルツ氏率いる自由党・緑の党の3党連立政権は最近、移民の急増、光熱費の高騰、温室効果ガス削減計画などをめぐって強い逆風にさらされている。

ウクライナへの軍事支援も過半数の支持は得ているものの、予算のやりくりに苦労する中で支援に注力すべきでないという意見も出始めている。

世論調査でAfDを支持した人の約3分の2はAfDの政策に納得したのではなく、他の中道政党に抗議するために支持したと答えている。

しかし、AfDは来年、東部3州の地方議会選で第1党に躍進する可能性があり、中道議員は政策を度外視して連合を組まなければならない事態に追い込まれている。

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