◎米国とサウジアラビアが主導する停戦交渉は実を結んでおらず、双方は相手が停戦協定を無視したと非難し合っている。
スーダンの首都ハルツーム郊外で20日、準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」に対する軍政の砲撃や空爆が確認された。
軍政とRSFの戦闘は6週目に入り、これまでに100万人以上が避難を余儀なくされている。
地元メディアによると、ハルツームの姉妹都市オムドゥルマンで空爆が報告された。
AFP通信は目撃者の話しとして、「オムドゥルマンの国営放送局付近にミサイルが着弾した」と伝えている。
AFPの取材に応じたオムドゥルマンの住民は「昨日から激しい砲撃が続き、家がガタガタ揺れた」と語った。「家族と一緒にベッドの下に隠れ、砲撃がやむことを祈りました...」
ハルツーム中心部の戦闘はこの数日で小康状態となり、散発的に銃声が聞こえることはあるものの、爆発はほとんど確認されなかった。
人権団体「スーダン医師中央委員会」によると、この1カ月で民間人700~1000人が死亡、20~30万人が近隣諸国に避難し、国内では80~90万人が避難生活を送っているという。
世界保健機関(WHO)は19日時点の死者数を705人、負傷者を5287人と報告している。
ハルツームを含む都市部の法秩序はダルフール紛争の震源地である西部ダルフール地方のように崩壊し、略奪が横行している。食料、水、現金、その他必需品は手に入りにくい状態だ。
米国とサウジアラビアが主導する停戦交渉は実を結んでおらず、双方は相手が停戦協定を無視したと非難し合っている。