◎連邦議会は定年年齢を62歳から64歳に引き上げる政府の年金制度改革案を審議している。
フランス全土で11日、マクロン政権の年金制度改革案に反対するデモが行われ、40万人近くが参加した。
内務省はパリで約4万8000人、全国で約36万8000人が参加したと推定。強硬派労働組合「フランス労働総同盟(CGT)」はパリで30万人、全国で100万人以上が参加したと報告している。
連邦議会は定年年齢を62歳から64歳に引き上げる政府の法案を審議している。
AFP通信などによると、1月以来7回目となる大規模デモは公共部門のストライキに合わせて行われたという。
エネルギー部門、公共交通機関、ゴミ処理業者などがストに参加した。パリや他の都市ではストの影響でゴミ収集が滞り、ゴミが山積みになっている。
警察はパリをはじめとするいくつかの都市で暴徒と衝突した。
パリの暴徒はデモ会場や行進ルートのゴミ・看板に火をつけた。フランス24によると、パリ中心部に配備された機動隊はバス停、街灯、その他の公共物を破壊した黒服集団にタックルを見舞い、唐辛子スプレーを吹きかけたという。
パリ警察は32人を拘束したと発表し、暴徒を「過激派」と呼んだ。「警察は平和的なデモの権利を擁護しますが、過激派の暴力には厳しく対応します...」
一方、CGTの書記長はソーシャルメディアに投稿した声明で、「マクロンは今すぐ政策を撤回しろ」と呼びかけた。
AFP通信によると、今回のデモの規模は以前の半分以下にとどまったという。
AP通信の取材に応じた47歳の女性は、「64歳まで働くなんてありえない」と語った。「私は1日15時間働いています。1日7時間の公務員と同じように64歳まで働くなんてありえません」
国民議会(下院)は野党のすさまじい抵抗で法案を採決できなかった。その結果、法案は憲法に基づき上院に送られ、審議が進められている。
上院は12日の午前0時までに採決を行う。可決されれば、再び国民議会で審議が始まる予定だ。
CGTの書記長はパリのデモ行進に先立ち、演説。「マクロンは組合幹部の面会要請を拒絶した」と語った。「あの男は国民の声を無視し、64歳まで働けと命じていますよ。いいですか、皆さん...」