◎デモ隊は政府が過失致死傷罪で起訴された駅長に全責任を負わせようとしていると非難している。
ギリシャの首都アテネで8日、先月末に発生した列車の衝突事故に抗議するデモが行われ、数万人が参加した。
報道によると、アテネのデモ隊の一部が暴徒化し、機動隊と衝突したという。
暴徒は火炎瓶や石を投げ、機動隊は催涙ガス弾で応戦した。
中部ラリサで先月末に発生した衝突事故の原因は、駅長が線路のポイント切り替えを行わなかったためとされている。
この結果、350人以上を乗せた旅客列車は貨物列車と正面衝突、57人が死亡する同国史上最悪の鉄道事故となった。
デモ隊は政府が過失致死傷罪で起訴された駅長に全責任を負わせようとしていると非難している。アテネを含む主要都市ではストライキが続き、数万人が政府に抗議した。
北部テッサロニキでも暴徒と機動隊が衝突したと伝えられている。
政府は国鉄に必要な予算を割り当てず、劣化した鉄道システムと線路を放置したと非難されている。衝突事故を起こしたのは民間が運行する列車だが、鉄道システムと線路の所管は国である。
AFP通信の取材に応じた抗議者は、「亡くなった人々に敬意を表し、政府に怒りと不満を表明するために参加した」と語った。
別の抗議者はロイター通信の取材に対し、「ボロボロのシステムを放置したミツォタキス政権に全責任を負わせるべき」と述べた。
ミツォタキス氏は春の総選挙で再選を目指しているが、野党とデモ隊の辞任圧力に直面し、厳しい政権運営を余儀なくされている。
地元メディアによると、医師、教師、バス運転手、フェリー乗組員などが鉄道労組のストに加わったという。
ある運転士はSNSに、「国鉄職員はシステムと線路改修の必要性を何年も何年も何年も国に訴えてきた」と投稿している。「しかし、高級官僚は予算がない、金がないの一点張りでした...」
デモに参加した鉄道労組の書記長は地元テレビ局の取材に対し、「私たち運転士は政府に何度も苦情を申し立て、ストを行ってきたが、残念ながら誰も私たちの話に耳を傾けてくれなかった」と語った。
「政府と経営陣は私たちを嘘つきと呼び、システムや線路の改修以外にもやることがあると言いました」
ミツォタキス氏は辞任した運輸相の後任を指名し、慢性的な列車輸送システムの不備を改善すると約束した。
またミツォタキス氏は「ヒューマンエラーを100%防ぐことはできない」とし、それはシステムを改修しても起きると指摘した。
デモに参加したある学生はAFPに、「私たちは変化を望んでいる」と語った。「ミツォタキスが倒れるまでデモを続けます...」