◎事件は21日の現地時間午後10時過ぎに発生。容疑者は春節を祝う人々が集まっていたダンスクラブを襲撃し、10人を射殺、逃亡した。
カリフォルニア州警察は22日、ロサンゼルス近郊モントレーパークで銃を乱射した容疑者が自殺したと明らかにした。
事件は21日の現地時間午後10時過ぎに発生。容疑者は春節を祝う人々が集まっていたダンスクラブを襲撃し、10人を射殺、逃亡した。
ロサンゼルス郡保安官事務所によると、フー・カン・チャン(Huu Can Tran)容疑者(72歳)は同州トーランスで自らを撃ち、自殺した。
警察は22日の正午過ぎ、トーランスで容疑者が使用したとされるバンを発見。SWATがバンに近づいたところ、車内から1発銃声が聞こえたという。
容疑者はダンスクラブを襲撃した後、モントレーパークから3kmほど離れたアルハンブラ近郊のダンスクラブにも侵入。利用客に銃を奪われ、車で逃亡したとみられる。
ロサンゼルス郡のルナ(Robert Luna)保安官は現場で10人の死亡を確認し、少なくとも10人が負傷、このうち7人は医療機関で治療を受け、何人かは重体と報告した。
モントレーパークの人口は約6万人。アジア系住民が多いことで知られ、21日には旧正月のお祝いが行われていた。
動機は不明であり、州警察と連邦捜査局(FBI)が捜査を進めている。
死亡した10人の身元はまだ明らかにされていないが、現地メディアは「50~60代が多く、それ以上の人もいる」と報じている。
警察は女性5人と男性5人の死亡を確認し、いずれもアジア系とみられると発表した。
警察によると、容疑者は現地時間午後10時22分頃にダンスクラブを襲撃、銃を乱射したのち、逃亡した。
それから約30分後、容疑者はアルハンブラにある別のダンスクラブに到着。店内に侵入したものの、利用客2人が容疑者の銃を奪うことに成功した。
容疑者はセミオートライフルを所持していた。
ルナ保安官は会見の中で、「容疑者が使った銃はカリフォルニア州では所持できないものとみられるが、さらに捜査を進める必要がある」と強調した。
またルナ保安官は容疑者から銃を奪った2人を称賛し、多くの命が救われたと述べた。
警撃事件から約12時間後の現地時間13時前、SWATはモントレーパークの現場から約48km離れたトーランスの駐車場で発見された白いバンを取り囲んだ。
ルナ保安官によると、SWATが窓に近づくと車内から1発の銃声が聞こえ、容疑者がハンドルに倒れこんでいるのを発見したという。警察は証拠品を押収し、車内で自殺した男が容疑者であることを確認した。
容疑者は単独犯とみられる。
モントレーパークでは旧正月を祝う行事が中止されるなど、悲しみが広がっている。街角に設置された赤提灯やお祝いの横断幕も撤去された。