◎バーンズ氏は会談の中で米国によるウクライナ支援を継続すると改めて表明した。
米政府関係者は19日、中央情報局(CIA)のバーンズ(Bill Burns)長官が先週ウクライナの首都キーウを訪問し、ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領と会談したと明らかにした。ワシントン・ポスト紙などが報じた。
AP通信によると、バーンズ氏は会談の中で米国によるウクライナ支援を継続すると改めて表明したという。
バーンズ氏はウクライナの情報機関幹部とも会談した。
バーンズ氏はロシアがウクライナに侵攻する以前からゼレンスキー氏と何度もオンラインなどで会談し、ロシアの計画や意図に関する情報を伝達してきた。
プーチン(Vladimir Putin)大統領が始めた侵略戦争はまもなく開戦から2年を迎える。犠牲者は両軍合わせて20万人と推定される中、西側諸国は明確な解決策を見出せずにいる。
米国防総省は19日、ウクライナへの追加軍事支援として最大25億ドル相当の兵器を供与すると発表した。この中に陸軍の主力戦車「エイブラムス」は含まれてない。
バーンズ氏は先月、PBSニュースの取材に対し、「CIAのアナリストは今冬、両軍の戦闘のテンポは減速すると予想している」と語った。
またバーンズ氏は「ウクライナを支援する国々の重荷や課題を十分理解している」と述べた。
一方、ドイツの首都ベルリンでは米独の国防相が会談。オースティン(Lloyd Austin)米国防長官はピストリウス(Boris Pistorius)独国防相に対し、ウクライナへの独製戦車「レオパルト2」の供与を許可するよう迫った。
今週就任したばかりのピストリウス氏はいきなり難題を突きつけられた。
ピストリウス氏は米ウォール・ストリート・ジャーナルなどが「ドイツは米国がエイブラムスを供与するのであればレオパルトを供与する用意がある」と報じたことについて、「米独が同時に供与する必要があるとの条件は認識していない」と述べ、この報道を否定した。
ポーランド政府は自軍が保有するレオパルトをウクライナに供与する方針を示しているが、供与には生産国であるドイツの承認が必要である。
一方、米国防総省はエイブラムスの供与について、「操作が極めて難しく、メンテナンスにも専門技術を必要とし、費用も高額であることから、現時点で供与は考えていない」と言明している。