◎中東の紛争地域から逃れた多くの移民が北アフリカ・トルコ西岸・レバノン沖から頼りないボートに乗り、ギリシャまたはイタリアへの入国を試みている。
国連は31日、レバノン北部沖合で亡命希望者とみられる人々を乗せた船が沈没し、2人が死亡、200人以上を救助したと発表した。
国連PKOとレバノン海軍は共同声明で、「船はレバノン北部から不法出国を試み、沈没した」と述べている。
声明によると、PKOと海軍の合同チームは232人を救助したという。
人々はレバノン人、シリア人、パレスチナ人で構成され、レバノン海軍は生存者の証言を引用し、「亡くなったのはシリア人女性と子供」と報じた。
国連PKOはソーシャルメディアにも声明を投稿し、「PKO海上部隊がレバノン海軍の捜索・救助活動を支援している」と報告した。
救助された人々はレバノン北部の施設に移送され、健康チェックを受ける予定だ。
レバノン沖では9月、シリアを出港した移民船が沈没し、少なくとも94人が死亡、そのうち24人が子供であった。生存者は20人、数人が行方不明のままである。
中東の紛争地域から逃れた多くの移民が北アフリカ・トルコ西岸・レバノン沖から頼りないボートに乗り、ギリシャまたはイタリアへの入国を試みている。
人々は西欧の豊かな国で再スタートを切りたいと考えているが、地中海は最も厳しい亡命ルートのひとつであり、毎年数千人が死亡または行方不明になっている。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、今年レバノンから出港した亡命希望者は昨年比で73%増加したという。
レバノンは経済危機の真っただ中にあり、人口600万人の4分の3とシリア難民推定100万人が貧困ライン以下での生活を余儀なくされている。