◎ティグライ州に人道機関の物資が届いたのは8月下旬以来約3カ月ぶり。
赤十字国際委員会(ICRC)は15日、人道支援物資を乗せた車列がエチオピア北部ティグライ州の州都メケレに到着したと発表した。
エチオピアICRCの広報担当によると、医薬品を乗せた最初の車列が15日にメケレに入ったという。ティグライ州に人道機関の物資が届いたのは8月下旬以来約3カ月ぶり。
エチオピア軍とティグライ州を実行支配するティグレ人民解放戦線(TPLF)の紛争は2020年11月に本格化し、民間人数万~数十万人が死亡、数百万人が国内避難民となり、数万人が近隣諸国に逃亡したと推定されている。
双方は今年3月末に「人道的停戦」に合意したものの、8月末に戦闘を再開し、それ以来物資の輸送が滞っていた。
ICRCは声明の中で、「2台のトラックが40トンの必須医療機器、緊急医薬品、手術用具をこの地域の医療施設に届けた」と述べている。
またICRCは「ティグライ州のいくつかの医療施設は機能しておらず、何とか稼働している施設も基本的な医薬品、機器、その他の物資が不足している」と報告した。
国連によると、この地域の住民推定600万人が1年以上まともな医療を受けることができず、子供を含む多くの住民が「基本的な医薬品がない」という理由で亡くなったという。
ICRCはティグライ州への物資供給を継続したいとしている。
エチオピア政府とTPLFは今月2日、南アフリカの首都プレトリアで和平協定に署名し、内戦に終止符を打った。
また双方は先週、ケニアで行われた第2回和平交渉でこの地域への人道支援輸送や武装解除について協議する委員会を設立することなどに合意した。