◎この移民センターの定員は1000人だが、現在2150人の移民が収容されている。
2022年10月28日/キプロス、首都ニコシア郊外にある移民センター(Petros Karadjias/AP通信)

キプロス当局は28日、首都ニコシアの郊外にある移民センターで戦闘が勃発し、少なくとも2人が負傷、20のテントが炎上し、多くの亡命希望者が避難を余儀なくされたと発表した。

警察によると、戦闘にはコンゴ民主共和国とナイジェリアの移民グループが関与したという。機動隊は催涙ガスを使って戦闘を収めたようだ。

AP通信は警察筋の話を引用し、「逮捕者は出なかった」と報じている。

報道によると、コンゴ民とナイジェリアのグループは携帯電話の充電ケーブルをめぐって対立したという。戦闘は28日の正午前に発生した。

グループは石を投げ合い、一部の移民は棒を振り回したと伝えられている。機動隊が突入すると戦闘に関与していない移民が一斉に逃げ出し、センターは大混乱に陥った。警察によると、負傷した2人はニコシアの病院に搬送され、治療を受けたという。

AP通信の取材に応じた当局者は、「混乱は収まり、人々はセンターに戻った」と説明した。

地元メディアによると、このセンターの定員は1000人だが、現在2150人の移民が収容されている。

ニコシア警察の報道官は声明で、「センターの過密状態もケンカを引き起こした要因のひとつである」とし、対策を強化するとした。

キプロスには多くの亡命希望者が到着している。

内務省の統計によると、過去2年の移民受け入れ数は約2万7000人。そのうち6%が船で上陸し、残り94%は「北キプロス・トルコ共和国(通称北キプロス)」の緩衝地帯から入国した。

北キプロスはトルコ軍の支援を受けて1983年に独立を宣言したが、キプロスと国際社会はこれを認めていない。

2022年2月9日/キプロス、首都ニコシア郊外にある移民センター(Petros Karadjias/AP通信)
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