◎人々はブラチスラバのダウンタウンで12日夜に射殺された男性2人を追悼し、差別に抗議した。
スロバキアの首都ブラチスラバで14日、LGBTQ+(性的少数者)コミュニティとの連帯を示す集会が開かれ、数千人が参加した。
人々はブラチスラバのダウンタウンで12日夜に射殺された男性2人を追悼し、差別に抗議した。
男性2人と女性1人はダウンタウンにあるLGBTQ+に人気のバー近くで銃撃を受けた。女性は重症を負ったと伝えられている。容疑者(19歳)は13日に遺体となって発見された。
地元メディアによると、容疑者はユダヤ人やLGBTQ+への憎悪に満ちた人種差別的な文書をツイッターに投稿し、事件に関する書き込みも行っていたという。このアカウントは13日に凍結された。
集会に参加したチャプトバ(Zuzana Caputova)大統領は演説で、「私たちの社会が愛する人を守れなかったことを残念に思う」と述べた。
報道によると、ヘゲル(Eduard Heger)首相もこの集会に参加したという。
警察はこの銃撃事件をLGBTQ+への憎悪を動機とする計画的な殺人と考え、捜査を進めている。
EU加盟国の中で保守的な国に分類されるスロバキアは同性婚を認めておらず、活動家から「LGBTQ+に対する理解が進んでいない」と批判を浴びている。
集会に参加した隣国チェコの活動家は地元メディアの取材に対し、「政治家の偽善行為にウンザリしている」と憤慨した様子で語った。「へゲル首相は今すぐ同性婚を認める法案を提出すべきです!」
へゲル氏はレインボーフラッグを掲げたものの、同氏率いる与党の議員は今年6月、公共施設でのレインボーフラッグ掲示を禁じる法案を提出している。この法案は取り下げられた。
欧州議会の副議長も集会に参加し、スロバキア当局に対応を求めた。「犠牲者に哀悼の意を表すると同時に、スロバキア当局に対し、LGBTQの人々に対する憎悪を終わらせるための明確な措置をとるよう求めます...」
死亡した男性2人は事件現場前のバーを利用していたと伝えられている。重傷を負った女性の容体は安定しているようだ。
警察は13日早朝に容疑者の遺体を発見した。自殺したとみられる。
警察によると、容疑者は元極右政治家の息子で、レーザー照準付きの銃を使用したという。