◎トラス氏は今週、保守党首選で新党首に選出され、イギリス史上3人目の女性首相に就任する予定だ。
イギリスの次期首相であるリズ・トラス(Liz Truss)氏は4日、ロシアのウクライナ戦争がもたらしたエネルギー価格の高騰に速やかに対処すると約束した。
トラス氏は今週、保守党首選で新党首に選出され、イギリス史上3人目の女性首相に就任する予定だ。
トラス氏はBBCニュースのインタビューの中で、「生活危機に対処するため、就任から1週間以内に行動を起こす」と約束した。
しかし、トラス氏は具体的な政策を議論・公表するのは就任以降と主張し、詳細は明らかにしなかった。
トラス氏は進行中のエネルギー危機が経済と国民生活に大きな影響を与えていることを認め、迅速に対応することが重要だと強調した。
ジョンソン(Boris Johnson)首相が辞意を表明してから2カ月、政府はインフレ、労働争議、医療制度のひずみに対処できないでいる。マッチョな与党保守党は5日に新リーダーを発表する予定だ。
トラス氏は大幅減税を公約に掲げているが、多くの専門家がこれに疑問を呈している。税収減は医療保険(国民皆保険)を含む国の重要な政策に影響を与えるだろう。
トラス氏はBBCに、「1ヶ月以内に、どうやって税金を減らし、どうやってイギリス経済を活性化させ、どうやってこの困難な時代から抜け出すかについての完全な計画を提示する、と私は絶対に決めている」と語った。「必ずやります。私は国民を安心させたい...」
選挙期間中、トラス氏は国防費の増加、減税、エネルギー政策の強化を約束したが、生活費危機への対応については明言を避けてきた。
家庭のエネルギー料金(電気、ガス、水道)は来月から平均80%上昇する。慈善団体はこの冬、3世帯に1世帯が料金の支払いにひどく苦労し、数百万人が暖房費を捻出できない可能性があると警告している。
イングランド銀行(BOE)は10月のインフレ率が42年ぶりの高水準となる13.3%に達すると予想。不況に陥る可能性が高いとした。
米金融大手ゴールドマン・サックスはイギリス経済について、「エネルギー価格の高騰を緩和する対策を講じなければ、来年にはインフレ率が22%に達する可能性がある」と指摘している。