◎スウェーデンのインフレ率は30年ぶりの高水準に達し、中銀は今年すでに2回利上げを行い、年末までにさらなる利上げが予想されている。
2022年9月3日/スウェーデン、首都ストックホルム、アンデション首相(Anders Wiklund/TT News Agency/ロイター通信)

スウェーデン政府は3日、天然ガスの供給減に端を発するエネルギー危機を回避するため、国内のエネルギー企業を救済すると発表した。

アンデション(Magdalena Andersson)首相はロシア国営ガスプロム社に言及し、「今冬はかつてない危機に直面する可能性がある」と警告した。

アンデション氏は救済について、「原油・ガスの不足や価格高騰で厳しい状況にあるエネルギー企業をサポートするためのもの」と説明した。

またアンデション氏は「ガスプロム社の圧力が高まっていることも念頭に置いている」とした。

ロシアは西側諸国の対ロシア制裁がガスパイプラインの点検や補修に必要な部品の取引を妨げていると非難している。EUはロシアがガスを兵器化していると非難し、大急ぎでLNG(液化天然ガス)を確保している。

アンデション氏は「ガスプロムの圧力がEUの家庭や企業、特にドイツのエネルギー企業と結びつきの強いスウェーデン南部に深刻な影響を与えている」と述べた。

またアンデション氏はスウェーデンのエネルギー危機が北欧とバルト海諸国にも悪影響を与え、最悪の場合、エネルギー企業の破綻を含む経済危機に発展するかもしれないと警告した。

アンデション政権はガスプロム社がドイツ向けガスパイプライン「ノルドストリーム1」の停止期間を無期限延長すると発表したことを受け、この救済計画を公表した。

ノルドストリーム1の停止はガスの価格高騰を後押しし、電力市場にさらなる圧力をかかると予想されている。

アンデション氏の会見に同席した財務相は、「救済案を議会に提出すると議長に通知した」と述べた。

報道によると、議会は5日に信用保証発行を含む政府の救済案を審議する予定だ。

スウェーデンのインフレ率は30年ぶりの高水準に達し、中銀は今年すでに2回利上げを行い、年末までにさらなる利上げが予想されている。

9月11日に予定されている総選挙の焦点は電気料金の高騰、金利の上昇、経済成長の停滞となった。

財務省報道官は先月31日の声明で、「電気料金の高騰による消費者の負担を抑えるための措置を準備している」と述べていた。

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