◎8月18日に発効予定。
エストニアのカヤ・カラス首相(Getty Images)

エストニア政府は11日、ロシア人観光客の入国を原則禁止すると発表した。

外務省報道官は声明で、「ロシア国民が大勢でエストニアを訪れたり、エストニアを通じて欧州の同盟国に移動することを禁じる」と述べた。

また報道官は「ロシア人観光客の受け入れは我が国がロシアに科している制裁と相容れない」とし、決定を擁護した。

EUはロシア便の受け入れをすでに禁じている。しかし、陸路で入国することは可能であり、国境を接するエストニアから他国行きの便に乗り移動しているようだ。

地元メディアによると、外務省はこの制裁について、「ロシアが市民レベルでも通常の国際生活を続けられなくなることを望んでいる」と述べた。さらに、「エストニアを通過したり、エストニアに入国するロシア人が大幅に増加している」と明らかにした。

外務省によると、▽長期滞在許可証を持つ人▽近親者を訪問するために来た人▽国際的な物品・乗客輸送に関わる労働者▽人道的理由で入国する人は制裁対象外。

この制裁は8月18日に発効する。

外務省はツイッターに、「他の同盟国にも同様の措置を取るよう求める」と投稿した。

エストニアとフィンランドの両首脳は今週、ロシアがウクライナに侵攻している間はロシア人観光客の欧州旅行を許可すべきでないとし、EUの同盟国に観光ビザの発行停止を呼びかけた。

エストニアのカラス(Kaja Kallas)首相は9日、ツイッターに「人権を尊重する時が来た」と投稿した。「今こそ、ロシア人の観光を終わらせるべきです」

その前日、フィンランドのマリン(Sanna Marin)首相は国営放送(YLE)のインタビューの中で、「ロシアが残忍な侵略戦争を行っているのに、ロシア人が普通の生活をし、欧州旅行を満喫し、観光客になれるのはおかしい」と述べていた。

AP通信によると、ロシアの観光業界はサンクトペテルブルクからフィンランドの首都ヘルシンキとラッペーンランタへの陸路旅行プランを提供し始めたという。

ロシア第二の都市サンクトペテルブルクとヘルシンキは300kmほどしか離れていない。

フィンランドとエストニアが発行するビザは、EU22カ国とアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイスの26カ国からなる「シェンゲン圏」のビザなし渡航を可能とする。

シェンゲン圏では国境検査を受けずに人や物が自由に行き来できる。また、シェンゲン協定加盟国以外の19カ国もシェンゲン・ビザを取得しての入国を認められている。

ラトビアはすでにロシア人への観光ビザ発効を禁じている。ウクライナと国境を接するポーランドは10日、ロシア人に対する観光ビザ発行を停止すると発表した。

2022年5月26日/ウクライナ、首都キーウ、ゼレンスキー大統領とフィンランドのマリン首相(Ukrainian Presidential Press Office/AP通信)
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