◎ロシアは「戦闘機の供与は戦闘に加わることに等しい」と警告している。
スロバキア政府は25日、ウクライナに旧ソ連製の戦闘機「ミグ29」の供与を検討する可能性があると発表した。
同国のナジ(Jaroslav Nad)国防相はイギリスのウォレス(Ben Wallace)国防相との共同記者会見で、「自国で保有している11機のミグ29が8月末まで飛行しなかった場合、供与について話し合うことになるかもしれない」と語った。
ウクライナと国境を接するスロバキアはNATOの同盟国であるチェコおよびポーランドと協議し、9月からスロバキア領空を共同パトロールするとしている。
ナド氏は「まだ議論していないが、話し合う用意はある」と説明した。
ウォレス氏はウクライナへの戦闘機供与について、「予定していないが、スロバキア領空をパトロールするために戦闘機を提供する」とした。
NATOはウクライナに長距離兵器、戦車、弾薬などを供与しているが、戦闘機は1機も供与していない。ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は戦闘機を切望している。
しかし、戦闘機の供与はロシアの反応を引き起こす可能性があるため、米国を含むNATO加盟国は供与に消極的である。
ロシアは「戦闘機の供与は戦闘に加わることに等しい」と警告している。
ナド氏はNATO同盟国とより広範な議論を行う必要があるとする一方、「スロバキア政府はM29の供与に前向きである」とした。
スロバキアは米航空防衛機器大手ロッキード・マーチンの戦闘機「F16ブロック70/72」14機を購入する契約を結んでいるが、納入は2年遅れて2024年となった。
スロバキアは開戦以来、ウクライナに重火器(旧ソ連時代の高性能地対空ミサイルシステムS300、軍用ヘリ、多連装ロケット弾数千発、自走式榴弾砲など)を供与してきた。