◎リビアは統一に向けた暫定的な取り組みを1年かけて進めたが、再び後退しているように見える。
リビア東部トブルクの住民は3日、生活環境の悪化などに抗議するデモで議会議事堂が放火されたことに懸念を示し、首都トリポリの政府と東部政府に行動を呼びかけた。
デモ隊は1日、国連主導の仲介が破綻したことを嘆き、2つの政府に対立ではなく食料や燃料価格の高騰に対処するよう訴えた。
デモは過熱し、一部の暴徒がトブルクの下院議場を襲撃、事務所を破壊し、火を放った。
デモ隊はトリポリを含むその他の都市でも集会を開き、道路を封鎖し、タイヤに火を放った。地元メディアによると、略奪も報告されたという。
国連の支援を受ける首都トリポリの政府は昨年末に予定していた大統領選を実施できず、国際社会を失望させた。
東部地域に拠点を置くもうひとつの政府はトリポリ政府を非難し、暫定首相に元内相のバシャガ(Fathy Bashagha)氏を起用。トリポリ政府のドベイバ(Abdul Hamid Dbeibah)暫定首相に辞任を求めている。
両政府に自制を求める国連はジュネーズなどで仲介協議を行ったが、国政選挙に必要な憲法の枠組みで合意に達することはできなかった。
デモ隊は10年以上続く混乱と分裂に不満を抱き、両政府の解散と総選挙を要求した。また、食料・燃料価格の高騰や停電が常態化していることに怒りを表明し、悲惨な経済状況を嘆いた。
トリポリのデモ隊も同様の主張を展開し、ドベイバ暫定首相に解散総選挙を求めた。
トブルクの住民はAFP通信の取材に対し、「内戦に発展しないか心配だ」と語った。「2つの政府が戦争を始めると噂になっています...」
リビアは統一に向けた暫定的な取り組みを1年かけて進めたが、再び後退しているように見える。